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【アメコミ】ベスト・オブ・スパイダーマン

ベスト・オブ・スパイダーマンベスト・オブ・スパイダーマン
(2012/10/30)
スタン・リー

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スパイダーマンのベストエピソード集『ベスト・オブ・スパイダーマン』を読んだ。
これは1994年にアメリカで発売されたものを今年になって翻訳・発売したものらしい。

マーベルコミックは読んだことがない初心者なので、今回のベスト版の発売はとてもうれしい。

スパイダーマンの人柄やドラマ性を各悪役たちとの絡みを混ぜながら知っていくにはいい本だと思う。
彼のコミックが今後もっと翻訳されていくならこれはその触りとしての役割は充分果たしている。
絵が若干古いけれど、洗練されてない感じが逆にいかにもアメコミらしい特徴的なものになっていて、これはこれで読みやすいしシンプルで美しく感じた。

残念なのはベストエピソードを選ぶにはあまりにも収録数が少なすぎると思う。数十年生きてきたキャラクターを8話でまとめるのはあまりに難しかったのでは?
その弊害で、本書の前半でMJと違ってピーターパーカーに好意を持っているグウェンという女の子が出てくるんだけど、後半ではいつの間にか死んだことになっていてショックだったりする。
それでも1470円という価格での販売は珍しく安いのでそこに文句を言う気には全くならない。

物語理解のためにスパイダーマンの歴史を細かく書かれた解説も同封されているので、初出から現在に至るまでの道筋を一通り知るにはものすごく役立つ本ではないだろうか。

一つだけ文句があるとすれば、背表紙に書かれているタイトルが英語併記ではなく、単に『ベスト・オブ・スパイダーマン』とだけ書かれているということ。これではちょっと寂しくないだろうか。
わかりやすく店頭で手にとってもらいたいという目的なのかは知らないけれど、ちゃんと『VERY BEST OF SPIDER-MAN ベスト・オブ・スパイダーマン』と書いておいてほしいなあ。
amecomi.jpg
ね。
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【アメコミ】フラッシュポイント

フラッシュポイント (DC COMICS)フラッシュポイント (DC COMICS)
(2012/05/19)
ジェフ・ジョーンズ

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2011年にアメリカで刊行された『フラッシュポイント』を読んだ。
(日本では2012年5月に刊行)

日本語に翻訳されたものはヴィレッジブックスから3000円くらいで売ってますが、原書だとアマゾンで1300円くらいで買えました。
しかも表紙表面が硬いハードカバーです。ヴィレッジから出たものはたしかペラペラだったと思うんですが、半分以下の価格でこの質はいい買い物だと思います。
英語も決して読めないほどの量でもないし、話がそう複雑ではないのでDCコミックの主要なキャラクターを理解している人なら原書で買ってもいいんじゃないかと思いました。

カバーをとった表紙
フラッシュポイント

あらすじ
世界最速の男の名を欲しいままにしてきたフラッシュことバリー・アレン。
ある日、まどろみから目覚めた彼は、かすかな違和感に眉をひそめた。
いつもの見慣れた光景のはずなのに何かがおかしい……。
やがて彼はその真相を知る事になる。
彼がまぶたを閉じていたほんの刹那に世界は姿を一変させていたのだ。
この世界には、ジャスティス・リーグもスーパーマンも存在しない。
アクアマンとワンダーウーマンは世界の覇権を懸けて死闘を繰り返し、人類を破滅の瀬戸際に追いやっている。
そして、バットマンは……。
(amazonの紹介欄より)

言ってみれば『涼宮ハルヒの消失』みたいなストーリーです。
何もかもが変わってしまった世界で、自身の能力も失ってしまったフラッシュが協力者を探し、世界を元に戻そうと駆けずり回るという話です。
アクアマンとワンダーウーマンのせいで人類が危機に立たされているので、ハルヒの消失より断然世界を元に戻す必要性がありますね!(消失はあの世界線でオッケーです!)

フラッシュポイントは世界がいかに変わってしまったのかというのが一つの見所でもあるので、バットマン、スーパーマン、キャプテンマーベルなど、彼らがどう変化したのかといった前情報はあまり仕入れずに読んだ方がいいと思います。自分は彼らのことよく知らないんですけどね(笑)

あと本作からDCコミックの全ての物語がリセットされるらしく、フラッシュポイントというタイトルはフラッシュのエピソードという意味以外に新しい物語が発生する引火点という意味もあるらしいので、本作を新たなDCコミックの導入としても読んでおいておく価値があるかもしれません。

それにしてもヴィレッジブックスから刊行されるアメコミ、もう少し安くなってほしいところ。
小プロから刊行ものは比較的安いため、どうしてもそちらで集めるのが優先的になってしまいますね・・・。

FlashpointFlashpoint
(2011/11/01)
Geoff Johns

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genre : アニメ・コミック

【アメコミ】ラバーズ&マッドメン

バットマン:ラバーズ&マッドメンバットマン:ラバーズ&マッドメン
(2011/03/23)
マイケル・グリーン(作)、デニス・コーワン、ジョン・フロイド(画) 他



少し前に紹介したラバーズ&マッドメンの感想。
ジョーカーの誕生話として、またバットマンとの邂逅として、決して傑作とは言い辛い本作についてもう少し書いておこうと思う。

この作品ではジョーカーはジョーカーになる以前、ジャックと言う名の犯罪者だった。正確にはただの犯罪者ではなく、大抵の犯罪を人並み以上にずば抜けて器用にこなせるチンピラだった。
ジャックは無軌道に犯罪を重ねてきたがどれもこれも簡単過ぎて生きる気力を失いかけていた。しかしバットマンという正義に執着するコスプレ男に出会ったことで全てが変わる。
そんなアホみたいなことしてる奴がいるなら俺は徹底的にそいつと戦ってみよう、といった思考(既に一部頭がおかしいので実際にそう考えたのかは不明)からバットマンに対し徹底的な反逆を企てる。

自分がラバーズ&マッドメンに否定的なのは本作のバットマンの正義への執着の在り方が受け入れられない点にある。
本作でバットマンは自らに課したルールを何度か破り、その行動が裏目に出たために多くの犠牲者を生む破目になる。

まず、ジャックに偶然そこにいた(ブルースにとっての)恋人を人質に取られたとき、バットマンは思わずそこにあった銃をジャックの握る銃に向けて撃ってしまう。ジャックはナイフで恋人の腹を刺し逃亡、恋人は回復後バットマンを人質に向け銃を撃つ狂人と認識するようになる。
勝手ながら自分がこれまでバットマンに抱いていたイメージの一つとして決して銃を使わないというのがあった。それは決して人を殺さないという更に上位のルールを守る為でもあり、また過去にブルースが両親を殺害された道具が銃であったことにも由来するのだとみていた。バットマンが過去作品の中で銃を局面によって使っていたのなら無知なことを言って申し訳ないが。そこまで正義の遂行に執着心を燃やしていたバットマンがあっさり銃を使うというのは明らかに彼のヒーロー性を引き下げるものであって、自分の解釈するバットマン像とは相容れないものだった。

そして最大の掟破りが、ジャックを危険視したバットマンが彼を殺害することを決断するというもの。しかも彼自身がやるのでなく、街の犯罪者に委託するというなんとも情けないもの。この結果、ジャックは廃液(?)に落ち、晴れて顔が白くて髪緑のジョーカーへと変貌。以前にも増して凶暴になったジョーカーは方々で人を虐殺を開始。バットマンがルールを破ったために払う代償はあまりにも大きい。現時点での犠牲者のみならず、今後延々と続く両者の戦いに巻き込まれるであろう犠牲者のことを考えると、このバットマンはあまりにも罪が重い。

最後に一度だけジョーカーを見捨て、葬るチャンスが残っていたのに、ここで初めてルールを破り代償を払ったことを思い出し、結局はジョーカーを救ってしまう。もはやルールを守ることと破ることが等価値になるまでにバットマンの品格が落ちている(落ちるといえばジョーカーとともにバットマンも落ちているのは演出としては正しいかもしれない)。
晴れてウェイン財閥の力によって建設されたアーカムに、ジョーカー(囚人第一号)は収監され、バットマンは今後のことを思い悩んで物語は幕を閉じる。

というわけでバットマンを徹底的に貶める本作は後味の悪さも一塩あり、多くのバットマン像の中では受け入れがたい作品ということが再確認できた。
一応本作はシェイクスピア劇を題材にしていると解説にあったが、それでもバットマン解釈としてはあまり釈然としない本作を評価は出来ない。

ジャック
バットマンに会うまで自分が何をしたいのか分からない無気力な人間だったというジョーカー。
生きがいを見つけることが出来たので人生を心から楽しめるようになったらしい。よかったね!

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genre : アニメ・コミック

【アメコミ】ウォッチメン

WATCHMEN ウォッチメン(ケース付) (ShoPro Books)WATCHMEN ウォッチメン(ケース付) (ShoPro Books)
(2009/02/28)
アラン・ムーア


ザックスナイダーによって映画化もされたウォッチメンの原作を読んだ。
本の分厚さとかなりのテキスト量から一日がかりでした。
アメコミの到達した頂点と言われるのも納得します。
恐らくこれ一冊でアメコミ史を名乗ってもおかしくはないように思われます。

物語はかつてヒーロー活動をしていたコメディアンという人物の死から展開していくのですが、ヒーロー殺しの真相を追うミステリーかと思いきや、かつてのヒーロー活動の歴史を時代背景を同時に描きながら振り返り、同時にそれが現実のアメコミを俯瞰した内容にもなっているんですね。
もう一つのアメコミ世界を一から作り直すような驚異的な力の入れようなので、現実へのメタ視点が徹底しています。
ヒーローの誕生、ヒーローチームの誕生と衰退、スーパーヒーローの誕生、冷戦下のヒーローの扱い、極めつけは本書の核心に触れるネタなんですが、これが「どうしたら世界が平和になるのか?」という問題にこれまで多くのコミックがやってきたことを本気でやるんだから驚きます。

マンハッタン

個人的に興味深かったのがウォッチメンの中で唯一本物の超能力をもつスーパーヒーロー、Dr.マンハッタン。
彼は一度原子レベルで肉体を粉々にされた結果、自分の肉体や他の物体の原子を自由自在に再構成することが出来、また自在にテレポートして移動することが出来る最強無敵の能力者です。超大国の軍事力に匹敵するパワーの持ち主ですが、それゆえに冷戦におけるアメリカの切り札としても使われます。
スーパーヒーローが政治的な役割を背負う状況も面白いのですが、Dr.マンハッタンが宇宙と同化したような世界の認識の仕方が大変興味深いです。
彼は時間について過去・現在・未来が存在するのではなく、全ての時間は同時に存在すると言います。
あるコマで彼は未来の出来事を幻視し、またあるコマでは過去の自分が未来の自分の言葉を喋り、また一つの出来事の流れとその過去の出来事の流れがバラバラにかつ同時に進行しているように意識している場面すら存在します。これはどうやら全ての時間を、彼の意識が点から点へと移動するように自由自在に駆け巡っているんじゃないかと思われるんですよね。
このアイディアは小林泰三の玩具修理者という本でも読んだことがあります。
初出が気になります。

本書を読んでみると映画版が一部酷評されるのも頷けます。
コミックとはいえ読めば長編小説と同じくらい時間をとられる本作品をたった3時間に編集してしまうのは誰が監督しようが困難を極めます。状況を理解して飲み込んでいくために、時折読み返すこともある12の章をノンストップで流されてはとても話についていけない。本作の功績に報いるためにもせめてドラマ化か3部作でやるべきだったのでは?と思えてしまいますね。

この本は映画『ダークナイト』のように昨今の正義を巡る題材として決して見逃せない作品であることは間違いないです。今後百年後も残り続けるコミックだと思います。
アメコミの歴史を辿ると言う意味では初心者にもおすすめできますが、ある程度アメコミを読み込んでから手に取るとこの本自体は格段に理解しやすくなるんじゃないかなあ。

theme : アニメ・コミック
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【アメコミ】バットマン:アーカムアサイラム完全版

バットマン:アーカム・アサイラム 完全版 (ShoPro Books)バットマン:アーカム・アサイラム 完全版 (ShoPro Books)
(2010/09/30)
グラント・モリソン



ヴィジュアルがスゴイと有名なバットマン:アーカムアサイラム完全版を読んだ。

あらすじ
ジョーカーがアーカムアサイラムを占拠しました。
アーカムアサイラムは精神病院です。
バットマンは悪党を殺さない決まりがあるのでだいたい倒してもここに放り込んで終わりってのがいつものパターンなんですね。
そういうわけでジョーカーに呼ばれて駆け込んだバットマンは人質解放のため、ジョーカーに言われるままにアーカムを探検することになります。するとバットマンが今まで捕まえてたやつらが前にも増して狂人になっていて、ついでにバットマンも精神科医の診断を受けさせられてアンタもちょっとどうかしてるぜと言われるんですね。
次第に彼ら狂人との距離感をなくしていくバットマンは正気を保てるのか?そもそも正気なのか?ってのが本書の主題とするところみたいです。

バットマンがアーカムを探索するのと並行して、アーカムアサイラムの過去・設立経緯が描かれます。それによるとどうやらアーカムアサイラムに特別狂った人間ばかりが入所してしまうのは、設立以前からある人物によって未来が幻視されていたことからも、そもそもバットマンが・・・。

あとこの本は絵がすごいです。まどマギの魔女戦背景みたいな不気味な絵に近い絵柄です。まどマギのような派手な感じじゃないんですがキモさや暗さに近さを感じるかも。また暗喩が頻繁に用いられ、解読する楽しみもあるようです。自分はめんどくさいのでしません(笑)いや、もっとストレートに読めるものを想定していたんですが、絵が絵なので解読しながら読むのは体力使いそうです。

アーカム
アーカム2

また本書はバットマンの物語としてはバットマン自身の内面や他の悪役との関係を再解釈するものとなるため、バットマンの活躍が見たいという人には薦められません。絵のせいか難解さが増しているようにも思えますしね。
それらを踏まえていえばバットマンのコミックとしては優先順位は低いかと思われます。
ビジュアルにしてもシナリオにしてもキリングジョークの完成度の高さには及ばないと思うんですよね。

★★☆

theme : アニメ・コミック
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プロフィール

achi

Author:achi
プロメテア教

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