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【映画】海炭市叙景




『海炭市叙景』、観に行きました。
すごいです。
傑作です。

オワコン化し衰退していく地方都市で生きる人々の姿を情緒的に描いた映画なんだけど、その衰退加減がこれ以上ないくらいリアルに描写されててとても他人事とは思えなかった。
※(オワコン=終わったコンテンツ)

舞台となる海炭市は造船業で稼いでる街なんだよね。
それが俺の住んでる長崎市と同じシチュエーションなんだ。
長崎市にある稲佐山には街を一望できる電波塔および展望台があり、また街には路面電車も走ってるんだけど、雪が積もる以外の環境が海炭市とかなり似ているんだわ。
もしかしたら日本にはよくある都市のモデルなのかもしれないけど、似たようにオワコン化していく街に住んでる身としては薄ら寒くなるホラーな映画だったね。

さて、何といってもこの映画が一番恐ろしいのは、上映開始20分そこらで主演の谷村美月がフェードアウトしてしまうことだろう。
谷村美月はそのナチュラルな存在感=圧倒的リアルさから、日本の女優の中で最強なのは間違いない。
その谷村美月が早々にいなくなってしまうとは、これこそまさに映画が身を以ってオワコン化する都市の姿を強烈に映し出していると断言出来る。

谷村美月がいなくなった後は、寂れたプラネタリウムで働く家庭崩壊気味のオッサンの話とか、町のガス屋の経営不振とそこの社長の崩壊気味の家庭事情とか、場末の酒場で引っ掛けられるリーマンの話とか、開発が進むも立ち退きを拒否し居座り続けるバーサンの話とか、おおよそ考えられる限り負の要素のフルコースで打ちのめされる!

谷村美月さえ、谷村美月ちゃんさえいればこんな何もない都市でも幸せに生きていける気がするのになああ~とため息を吐かずにはいられない切なさを俺は強く感じたね!



★★★★★(おわこん率100パーセント)
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【映画】ソーシャル・ネットワーク

【ネタバレあり】

映画『ソーシャル・ネットワーク』について適当な感想。

Facebookを立ち上げた若き天才マーク・ザッカーバーグ。
監督のデヴィッド・フィンチャーは、彼を映画にする際にアスペルガー症候群という設定を強調して描いたそうだ。
実際にアスペルガーなのかは議論されてるらしいが。

そういうわけで主人公のマーク・ザッカーバーグ君は絶望的に空気が読めない。
はっきり言ってFacebookがどうこうよりも、アスペルガー症候群という彼の言動が面白すぎるのである。

冒頭から彼は付き合ってる彼女にフラれる。
会話が噛み合わない不快感から、至極まっとうな台詞まで吐かれる。
『アンタがモテないのはオタクだからじゃない、性格最低だからよ!』

そんな第一印象最悪状態から始まるのだが、Facebookをめぐる一連の出来事を見ていくうちに、意外にコイツ悪いやつってわけでもないんじゃないって気になってくるのだ。

途中経過を見ていけば、どうもこの人は裏切り者とかいう立場よりも、単にフラれた腹いせ…というか見返してやろうという気持ちだとか、あるいはただ単に自分の作るFacebookが拡大することを楽しんでるだけに見える。

だからそれ以外には興味を持てない。
空気を読めないというよりも、空気読む努力をしない。
だから本当は嫌なやつじゃない。
嫌なやつに見えないようにすることを知らない。

マーク・ザッカーバーグが本当にアスペルガーなのかは知らないが、この空気読まない感覚にはうっすらと感動を覚える。
個人的な話だけど、空気読むのって面倒なんだよね。
単純な利害関係、すでに確定しきって発展の見込めない関係、維持する必要を感じない関係に本当は空気読む努力したくない。
それが許されるのは天然と天才があればこそなわけ。

そんなわけでマーク・ザッカーバーグが知らず知らず無神経に人を混乱させ圧倒するのは端から観ていてちょっと快感だった。



★★★★
(Amazonでサントラが安いです。)

【映画】ラブリーボーン

ピーター・ジャクソン監督、『ラブリーボーン』をBDで鑑賞。

学校の帰り道にある男に殺された少女が天国とこの世の狭間で、家族や殺害した犯人の人生を見届ける話。

この映画は全体的に中途半端であまり良いとは思えなかった。
はっきり言えば、何をしたいのかさっぱりわからなかった。
最近色んな映画を酷評して回っているので気が引けるけど、『ラブリーボーン』はそこそこ期待していただけに残念。

『ラブリーボーン』はかなり中途半端な映画だ。
この映画全体をとりまく世界観、世界設定がかなりいい加減に作られているように見える。
制作者の意図はよくわからないが、犯罪被害者遺族を慰めるつもりがあるのだとしたらかなり弱い映画だと思う。
まず少女の死後の世界はあまりに都合が良すぎる。
次から次に背景が変わり少女の思い通りに動かすこともできる一方、唐突に死体が浮かんだり犯人の姿がフラッシュバックで現れたりする。
少女の精神世界と言ってしまえばそれでいいのかもしれないけど、それにしては現実への干渉やCGに頼った映像の弱さに秩序の無さを感じてしまう。

この映画の宗教観はわからないが、天国がある以上は映画の視点と同じく神も当然存在するのだろう。
つまりこの映画は神の視点で進むわけなんだけど、自分はそこにちょっと疑問を感じた。
ま例えば神(の視点)は主人公の少女の経過をずっと生温かく見守っているわけだけど、この神はただ見守るだけの役立たずの神なんだよね。
役立たずはいいとして、肝心の少女が殺されるシーンから目を逸らしているってのはどうなのかなと。
少女が理不尽な暴力に一番怒りを感じる最も肝心な場面じゃなかったのかと。
でもってこの神はラストでは氷のつららを使って犯人を転落死させるわけだけど、それってあまりに勝手過ぎないだろうか。
仮に手を下してないとしても、悪いことは見過ごすけど天国だけは用意しましたなんて言う神なんかとても信用できない。
みんなどうせ死ぬからオールオッケーなんて現実逃避も甚だしい。
その後少女の家族に犯人の死が知らされるという描写もないのはどうなのか。
家族としては離散した家族の心が一致すればそれで良いのか。
少女の魂が救われようが家族を失った感情にリンクさせられる側からすれば、死体を見つけないのはかなり不快だ。
これでは前半で少女が父親の愛情と犯人探しへの執着心の強さを語ってた意味がない。

その他おかしい点
・犯人の家に部活のランニング中に忍び込む大胆さ
・枯れたバラや生きてる人間の体を借りる少女の能力の幅の広さ
・他人の体でキスを強要する少女とそれに応じる男の無鉄砲さ
・霊感があるおかげでキスの3Pに巻き込まれた女
・罠づくりや金庫処分など犯人の無駄な努力
・特に伏線にもならない趣味の写真撮影

サスペンスとしては盛り上がらないし、ファンタジーとしては雑すぎる世界観、犯罪被害者遺族を慰めるようなドラマとしては真剣さに欠けている。


★☆
(ピーター・ジャクソンは感情を丁寧に書き過ぎないほうが楽しいと思う)

告白がすごかった件

(ネタバレなし)

『告白』の原作の評価は賛否両論だったので『SAW』みたいな自己啓発セミナーものとばかり思っていました。
しかし実際にはそんなミニマムなお話なんかではなく、もっとずっと社会の内面に向き合った作品だったようです。
ツイッター界隈では絶賛の声多数で、本年度ベスト1位とまで言われたら観に行かないわけないですね。

そんなわけで『告白』観に行きました。

幼い娘を殺された女教師がその犯人であるクラスの生徒に復讐する話、ということで原作にしても映画の方にしても、グロい、重い、不快との感想が聞かれます。
しかし私自身は作品そのものを不快には思いませんでした。
たしかに、この映画で描かれる生々しい中学校の教室の様子や娘を殺された教師の復讐は凄惨を極めるものでした。
それを寧ろ清々しいと感じてしまうのは、それら全ての不快さの根底には「命の重さ」というテーマのための制作者の執念が感じられるからです。
学校という、いわば日本社会の縮図とも言える環境で行われた殺人事件と復讐劇。
彼らはどうしてそうなってしまったのか、どうしてそうするのか、それぞれの問題が炙りだされ、『告白』は単なる復讐劇ではなく、それとなく道徳を諭す寓話になっているのです。
それも信じられないくらい繊細かつ豪快に。

だからこの映画は(なぜかR-15指定なのですが)現役の中学生が観に行くべきです。
映画の中で何度もでてくる生徒たちを俯瞰するカットで、観客はまるで死んだ娘の目線のように徹底して客観視点になります。
こうした一連の映像を中学生が見ることで、彼らは彼ら自身が社会の中でどういう立ち位置にあるのか、どういう環境にあるのかを知ることが出来るかもしれません。
そして同時に命とはなんなのかと考えさせられるでしょう。



その他思ったこと
●13歳の少年少女という設定なのにR-15ってどうなんでしょうか。
少なくとも彼らは実在少年なのに!
●自分は疑り深い人間なので、ある「告白」には「?」となりました。
そこは生徒と同時に観客が自分の無知を自覚させられるいいポイントです。
●人殺し死ね、の文字に一瞬早く気づくから怖くなりますね。
●社会が抱える問題を浮き彫りにしてやろうという執念に『SAW』がいかに子供だましかわかります。
●うちの近所の中学校で『告白』の広告が配られたそうです。殊勝な心がけですね。

プロフィール

achi

Author:achi
プロメテア教

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