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読書記録

3月あたりから地味に読み重ねてきた本について。
今回★の数はどれだけ個人的に気に入ったかの指標なので参考にしないほうがいいよ。

『怪盗ジバコ』 北杜夫
★★
世界最高の大泥棒ジバコの活躍を描く娯楽小説。不可能を可能にする泥棒とかいうレベルではなく、そもそも最初から不可能はなくて、変装も鍵開けも余裕というか最強過ぎる設定なので、ジバコの活躍というよりは、ジバコの騒動に巻き込まれた人の話になる。面白かったけど内容は大体忘れたw

『蟹工船』 小林多喜二
★★☆
蟹工船で監督官の支配の下、過酷な労働を強いられる労働者が最終的に反乱を起こす話なんだけど、人が何人か死ぬまで全然動こうとしないというのがすっごくイライラさせられる。しかし今も昔も日本人ってそんな感じなんだよなあと納得した。

『十角館の殺人』 綾辻行人
★★☆
『迷路館の殺人』 綾辻行人
★★☆
すごいなーそんなトリックがあったかーなるほどーおもしろい。

『熊の場所』 舞城王太郎
★★★★
短編三作。表題作、熊の場所がとても面白い。小学生の主人公の視点の文章がやけに軽快で読みやすい。時に不気味なミステリーやバイオレンスを挟みつつも独特のギャグの冴えは秀逸で、その辺のバランスが舞城王太郎さすがだなあ、と感心する。軽快だけど地味に心に残る話だったりもするわけだしね。

『砂の女』 安部公房
★★★
砂の侵食に耐える集落の一角に監禁された男の話。人は生活に困らない一定レベルの環境が与えられればそこに馴染んでしまうというのはわかる気がする。経済の成熟した日本においては住む価値の無いド田舎でも、住んでいる以上そこに釘付けにされてしまうのは確かだろう。

『屈辱ポンチ』 町田康
★★☆
『夫婦茶碗』 町田康
★★★★★
どっちもかなりふざけた小説で、面白すぎて仕事中に笑いを堪えるのが大変だった。特に『夫婦茶碗』に含まれる『人間の屑』がすごすぎる。物語としては太宰治の『人間失格』に近いのだが、テンションに月とミトコンドリアくらい差があって、どうしようもなく悲惨な方向に展開していくのに笑いを禁じえないのは何故なんだろうか。碁石トラップ、変死体、ジャンボプリン、アナルインパクトなどの特徴的なモチーフから発せられる渾身のギャグに打ちのめされること請け合い。爆笑必至。

『量子宇宙干渉機』 ジェームズ・P・ホーガン
★★★☆
生物そして人の進化のメカニズムは実は平行宇宙との干渉にあったのだ!という大胆な仮説を元に、別宇宙への意識の移動を可能にする機械が発明された。中盤以降からは平行世界への移動技術を巡る科学者と軍の高官による政治的闘争劇に転じ、最終的には戦争にまみれた現在の世界を完全否定するという着地点に至りすごく感心した。

『山ん中の獅見朋成雄』 舞城王太郎
★★★★
獅見朋成雄という中学生がアイデンティティを確立する青春小説・・・かと思いきや、ミステリーなりホラーなりバイオレンスだの食人だとか気色悪い雰囲気になってきて、それでも話の筋は通っているしギャグは冴えてるしで断然面白い。さくっと人が死んだり、かなりどうでもいいことを真剣にやっているところにツボっちゃうね。

『夏への扉』 ロバート・A・ハインライン
★★★☆
革新的な家庭用ロボットを開発した研究者が友人の裏切りにあい、失意に打ちのめされて数十年先の未来まで冷凍睡眠で移動する。全てを失いコテンパンにされるも、未来において過去の功績が役に立ったり、何かと運がよかったりで、最終的に知略を尽くして過去の清算をするという清清しい物語。SFの中では小難しくないのでかなり読みやすいと思う。

『権現の踊り子』 町田康
★★
短編集なのでちょうど盛り上がるところで終わってしまうのが残念。『浄土』の方が面白かったような気がする。

『バトルランナー』 スティーヴン・キング
★★★★
シュワ映画化もされたSF小説。映画とは全くの別物。政府とテレビ局がつるんだ過激な番組「ランニングマン」による殺人ゲームによって、民衆が盲目的な狂騒によって管理される社会。映画のような変態殺人鬼は出てこないが、良心の失われた社会体制の下で多くの人が理不尽に死んでいき、ハンターたちと主人公の間で緻密な頭脳戦が繰り広げられたりする。
映画版との最大の違いは、終着点が911テロを彷彿とさせる壮大なカタルシスで終わるところが面白い。今後のリメイク映画化がありえないことは確信を持てる。テレビ批判の作品なので映画版もテレビではもう放映されないんだろうな。

『謎の彼女X』 植芝理一
★★★★
この漫画は友達に誕生日プレゼントとしてもらった。
机に残ったよだれを舐めるとか、目隠しをした相手の前で全裸になるとか、一見変態と思わしき行為だけど決して変態じゃなくてむしろ純情なのが面白い。相手に何かを伝える時にはそれにふさわしい方法が確かにあるのだなと思った。そういう恋っていいな~。残念なのは巻が進むにつれて独特の画風がスポイルされていって、最新刊近くではかなり投げやりな絵になっているという点。特に目の回り手抜き過ぎじゃないですか?作者にどんな変化があったんでしょうかねー!?

夫婦茶碗 (新潮文庫)夫婦茶碗 (新潮文庫)
(2001/04)
町田 康

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熊の場所 (講談社文庫)熊の場所 (講談社文庫)
(2006/02/16)
舞城 王太郎

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謎の彼女X(1) (アフタヌーンKC)謎の彼女X(1) (アフタヌーンKC)
(2006/08/23)
植芝 理一

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theme : 読書感想文
genre : 小説・文学

星を継ぐもの

星を継ぐもの (創元SF文庫)星を継ぐもの

ジェイムズ・P・ホーガン




代表的なSF小説『星をつぐもの』を読んでみた。
創元社SF部門読者投票1位と帯に書かれてあったが、個人的にはそこまででもなかったという印象。

月面にて宇宙服をまとった人間の死体が発見される。
調査の結果、それは5万年前に死んだ人間の死体であり現代のものではなかった。
これが物語の謎でありそれを解明するために優れた研究者が駆り出される。

若干地味な印象を受けてしまうのは過去に起きた出来事を解明することに終始しているからだといえます。
過去に起きた出来事の解明のために研究者たちは微細な証拠を一つ一つ集めあげて解釈し議論し、そこからさらに確定的な情報を元に解釈を進めていくわけです、最後まで。

なので現在進行形の物語なんだけど、まるで古い文献を読んでいるような印象を受けます。
ただ、物語の最後にこれから起こるであろう宇宙航海時代の到来を予感させるので、そこだけはようやくカタルシスがあるなあという感じでした。

タイトル的には人間に代わって何か別の存在が地球を支配する話なのかと勝手に予想してました(笑)

SF小説はあまり読んでないけど創元社から選ぶならグレッグ・イーガンの『宇宙消失』が一番面白かったです。

わたしを離さないで

わたしを離さないで /カズオ・イシグロ

昨年末にカズオ・イシグロの『私を離さないで』を読んだ。
ある施設で育てられた子供たちの物語ということでサイコホラーかと思っていたらSFホラーな感じだった。
登場人物一人の目線で進行する語りは繊細な人物描写でとても美しく描かれるのだが、最終的にそれらすべてを台無しにするようなラストが良かったと思う。
運命を乗り越えようとする物語は魅力だけど、『私を離さないで』は惨めな少しでも豊かにしたいという絶望的状況下にいる人々の願いをまったく受け入れない。
施設を出た主人公たちがかすかな希望を抱いて行動する様子がそれこそ繊細に丁寧に書かれることによって、お前たちがやってきたこれまでの行動はまったく何の意味もないことだったんだよ(笑)とやさしく語りかけてくる。
登場人物が必死に考え、純粋な思いを作りあげ、それを証明しようとする行動一つ一つが客観的にはひどく痛々しい行動だったと明らかにされるあたりがブラックジョークの極みである。

本作は社会の利便性の影に犠牲になる人々に焦点が当てられているが、大概ほとんどの読者が期待するハッピーエンドを平気で裏切ってくるラストは、悪趣味ゆえに余計に主題を際立たせているといえるんじゃないだろうか。

でもって物語の装置となる施設が作られる経緯、社会情勢、人々の価値観の描写がほぼないというのはたしかに重大な欠点だと思う。
まあ小説媒体だとあまり気にならないのかもしれないけど。

★★★☆



15×24

15×24 新城 カズマ

これは…残念ながら面白いとは感じられなかったんですよねー。
(無駄な部分)飛ばしながらなんとか2巻まで読みました。

何が駄目なのかというと、まず口語表現的な文章です。
登場人物全員が全員、自分が今思っていること感じていることそのままに話すので、読んでいる側としては彼らの言葉を今一度頭で整理し直して読まなくてはなりません。
そして登場人物の多さが解り辛さに拍車をかけてます。
それぞれがそれぞれの人格で逐一起こった出来事を話していくので、読む方としては面倒なのです。
なにもわざわざ語り手を次から次に変える必要はないと思います。
登場人物の中にUNオーエン氏的な人物が隠れているのなら、混乱を招かないよう神の視点で語るべきです。
あと致命的だと思ったのが、この文章がどういう状況で語られたものなのかはっきりしないことです。
逐一現在の様子を吐露しているのか、それとも過去の出来事なのか、いまいちはっきりしません。
となると作者のその場の勢いで進んでいるだけで、起こっている一連の出来事が意味不明なせいか物語を信用できなくなってしまうんですよね。

登場人物もよくわかりません。
ヤクザの男が手下に『だまっとれあぼけ!』と書いた紙を渡す行為にいったい何の意味があるのか?
人質の恐怖を引き出す手段としては完全に滑っているし、お喋りなのが随分マヌケにみえる。
中卒フリーター17才の人物も完全におかしい。
言語が原始人なんですよね。
バキ外伝疵面に出てくるレックスと同じレベル。
いくらなんでも馬鹿にしすぎです。

それとたった一人の人物の自殺を止める為にものすごい数の人間が動き回るんですが、赤の他人の自殺を止めたいがためにそうまでする意図、動機が自分にはさっぱりわかりません。
例えばある人物は『明日を生きたくても生きられない人がいるのに自殺するなんて許せない』という、まるで見当違いの正義感から自殺を止めに行くのですが、この考え方は極めて異常です。
なぜならこの言葉は他人の抱えている悩みや価値観を一方的に無視し、自分の方に絶対的な正しさがあると信じて疑っていない人間のものだからです。
これが後後否定されたり考え直されたり、別の意見と対峙するような場面があるのならいいのですが、今のところ自殺を止めようとする人々の混沌しか感じられないのですが…。
3巻以降面白くなるのでしょうか…。


向日葵の咲かない夏

『向日葵の咲かない夏』読了。
Amazonでは評価が分かれているけど、自分はあまり読書量が多くなくミステリーの知識も大してないせいか、なかなか面白かった。(というより勉強になる)
主人公が死体を目撃してしまうまでの気味の悪さにぐっときたけど、輪廻転生のオカルト要素が出てきた頃からあれれ…と拍子抜けさせられたと思えば二転三転して終盤はサイコホラーの様相を露わしてくる。

中盤まで『スタンド・バイ・ミー』みたいなものかと思って読んでいたら陰惨な光景が次々に出てくるうえ、多くの登場人物の嘘が明らかになってくるのでなかなか混乱させられた。
事態を解決させるための明快な行動に出ず物語が右往左往しているので、何か深刻な出来事を隠しているんじゃないかという印象はあったけど最後にはちゃんと収束しているのですごいなと思った。
まあミスリードを誘いすぎとか、物語の構造が不安定な感じがするのは納得だけど。
内容があまりにも不快で耐えきれないという意見もよくわかる。
感情の拠り所だった登場人物たちの誰も途中から信用できなくなっていくし、終盤に明かされる全体の謎解きも随分グロテスクだから。

細かいところでは犬が人を運べるのかとか、警察の当初の動きの浅さとか確かに疑問に思った。
しかしながら自分はこの作品あまり悪いとは思えないな。(確かにに奇をてらいすぎだとはおもうけど)
こういう現実があるかもしれないと考えさせるだけの意義はあると思うのです。
まあそのためには人によって細部の粗が気になるのは問題だと思うけど。

その他
●『悪い王さま』の作文が気味悪い。
●同じく○○のボトルシップ。


プロフィール

achi

Author:achi
プロメテア教

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