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【映画】インセプション

(ネタバレあり)

端的に言って、『インセプション』はグラ5である。

クリストファー・ノーラン監督『インセプション』の感想。
夢の中に侵入する…というアイディアはなんでもありの自由自在であるがゆえに、求められるクオリティのレベルが非常に高くなる。
本作でクリストファー・ノーランはその途方もない自由度を形にしたうえ、彼なりのアイディアを付け加えてより純度の高いエンターテイメントに仕上げている。

『インセプション』での最大の驚きは歯車のように組み合わさった夢の階層構造だ。
人が夢の中で過ごす時間は現実世界と比べてかなり時間が凝縮される。
これを利用して、夢の中で夢を見ることによって更に更にと時間を凝縮させていき、それぞれの階層で物事は並行して進むものの、より深い夢の階層ではさらに時間が早く動いていく。
このアイディア自体も面白いのだが、更にもう一つ面白い要素がある。
夢の中にいる人間には一つ上の階層の重力の変化が適用されるということ。
上の階が落下・回転すれば下の階も同じように緩やかな無重力と回転の影響を受けることになる。
『インセプション』のメインとなる夢では3段階の夢が用意され、そのうち二つ目のホテルでの戦いがその重力変化をもろに受けており、これがなかなかおもしろかった。
音楽と合わせて着々と計画が進んでいく感じがいかにも歯車的、グラディウス5バスクリンステージ的であった。

グラディウス5バスクリンステージ

重力の変化をもろに受けているステージ。


さて、ストーリーの話なんだけど、ディカプリオや渡辺謙が潜入する計画を主体にして、ディカプリオ
自身の過去話の絡み具合も面白かった。
過去の行いが妻の死をもたらし、決まってそれが悪夢になってディカプリオの邪魔をする。
そして重要なのは妻はあくまでも悪夢であって妻そのものではないということ。
レオナルド・ディカプリオといえば「いつまでも大人になりきれない子供」を象徴する俳優。
だから妻はディカプリオ自身の中にあって、その変容がまた面白い。
ここで唯一惜しまれるのは妻がただのヒステリーにしか見えなかったこと。
出来れば金網にしがみついた時のような恐怖をもっと出して行った方が4層での転換がより一層意味深くなったはず。
ディカプリオの脳内エレベーター地下での、ホテルの部屋もあまり印象に残らなかった。
本人が悔いているのならば、もっと立ち入ってはいけない不吉な雰囲気があっても良かった。
さらにもう一つ、妻と作った夢の最下層がそこまで魅力的に感じない。
彼らがどう思っているのかはともかく、現実に帰りたくなくなるほどの長い時間を過ごしたのならば、そこがどれだけ魅力的な場所なのか描いてほしいと思った(家のボロさから見て若干不吉な予感だけは感じたけど)。

夢を舞台にした映画と言えばデヴィッド・リンチ『マルホランド・ドライブ』、押井守『アヴァロン』『ビューティフルドリーマー』、今敏『パプリカ』などが思い浮かぶ。
『インセプション』はそれらに比べると映像美よりも一つ一つのアイディアと構造のスケールで勝負している面が強いと感じた。
悪く言えば夢特有の輪郭のなさ、ぼやけた感じを無くして、形のはっきりしたものとして設計している。(なにせ計画の一部が夢を夢と思わせないように現実に似せることだからね)
輪郭を作ることが悪いとは思わないけど、せっかく夢を舞台にするなら夢特有の映像美も感じてみたいと思う。
ちなみに渡辺謙の館や2層ホテルの微妙な明るさの照明は心地よかった。

今回の渡辺謙はバットマンビギンズの時のようなただのかませ犬じゃなかったのがよかった。
なにせ渡辺謙が出るとどことなく画面が引き締まって見えるので、ちゃんと役割があってよかったと感じます。

ラストの回り続ける駒(止まるか止まらないかわからない状態)でのカット。
最終的にディカプリオが居る場所がどっちだったのかわからない終わり方。
これは物語中盤に設計士のアリアドネ(エレン・ペイジ)にディカプリオが見せた「お前はここまでどうやって辿りついた?」という伏線に被っているから怖い。
おかげでその日の夜に見た夢は、何も無い現実かそれとも楽しい夢の世界か、居る場所を迫られるという酷いものだった。


5点満点中
★★★★
(まだいける!と思うので。にしても本作のアイディアは後にも先にもこれ限りか)

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comment

Secret

1 ■グラ5。

「グラ5」って何じゃらほい?って思いましたが、言いえて妙かもしれませんね(『グラディウス5』はもちろん未プレイですが。

パソコンがネットに繋げられるようで何よりです(繋げられるんですよね?それとも根性で携帯から入力した?笑。)。

世間的には夏休み真っ最中ですが、個人的にはしばらく映画鑑賞が夏休みです。
まぁ『魔法使いの弟子』の前売り券は一応買ってますけどね。笑。

2 ■Re:グラ5。

>せぷさん
コメントありがとうございます。
あ、正式名称じゃなきゃわからないですよね、ふつう^^;
シューティングゲームは、動く、撃つ、避ける、の単純操作なのでけっこう気に入ってます。
特にこういうSFチックなものは背景設定がぶっ飛んでて面白いですよ。
ホテルでの戦いは音楽もジャンルは違いますが、「巨大な構造」を感じさせるところはかなり似ていますね。

パソコンは治りました^^
モデムに送電するコンセントが劣化していたみたいです。
付け替えたら元通りです。
さすがに某ケータイ小説みたいに携帯で書きまくる根性はないですね~(笑)

夏休みですか、せぷさんは夏の映画はかなり鑑賞されたみたいですね。
自分はまだほとんど観ていないので8月公開の作品を観る前に、見逃したものは観に行こうと思います。

3 ■無題

しかもアレ出来る限りCGは使ってないってTVで観た…
そういう手法で撮ろうとする監督さんがまだハリウッドにいて嬉しいです
最近のディカプリオにいい思いさせてもらってないので、当たりかハズレか迷ってたけど感想聞くと観たくなるなぁ~!

4 ■無題

>Komakiさん
コメントありがとうございます。
そういう手法というほどでもなかったですが、CGの使用ではクリストファー・ノーランは細部まで設計して作ってる印象ですね。
同じくCGを使うなら多分シャマランのほうが面白いですね~。
予期しなかったものを呼び込んでしまうという意味で。

ディカプリオについてのみ考えるなら今作は大躍進ですね。
何より面白いし!

5 ■無題

>Komakiさん
そういうわけで『エアベンダー』をおすすめします!(笑)
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