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エアベンダーと筋肉ゴリラ

M・ナイト・シャマランの『エアベンダー』について。

『エアベンダー』を評価する人としない人の差は一体どこから来るのか。
つまらないとは思えなかった自分としては、何が悪かったのかが本当にわからなくて困る。
同じものを観ているはずなのに、あまりにも評価が分かれる様子を見るにつけ、どうもまったく別のものを見ているような、まったく違う見かたが存在しているような気がしてやまない。
そういうわけで『エアベンダー』反対派の感覚を知りえない以上あまり正確なことは言えないんだけど、その違いをちょっとでも明らかにしてすっきりさせたい気分だ。

憶測でものを言うようだけど、思うに『ロードオブザリング』を絶賛する人には(というかファンタジー映画の代表作と掲げている人には)『エアベンダー』はウケが悪いのではないだろうか。
『ロードオブザリング』がどういう映画だったかというと、主人公のフロドを中心にその仲間たちが旅先で出会う困難や戦いの中の苦悩や友情を描く、とにかく情緒的な作品だった。
登場人物への感情移入を求める人には『ロードオブザリング』はこれ以上ないくらいうってつけの映画だし、実際そこに描写される人々の心や感情の動静は肉体と連動していてとてもわかりやすい。
それは勿論悪い事じゃないし、事実として『ロードオブザリング』はその辺が評価されてる。

では『エアベンダー』はどうなのかというと、こちらはまったく逆で、ただ起きたことだけを描写するのみ。
起きたことだけが全てであって、登場人物の情緒への介入はほぼ不可能。
観客はひたすら事物の流れを傍観するしかない。
感情移入という観点から見れば、まあ人によってはウケが悪いかもしれない。
しかし神話や伝説で語られるような叙事詩と考えるならば、かなり忠実に作られているといえなくはないか。
『エアベンダー』を見て同じく叙事的な物語である、アーノルド・シュワルツェネッガー主演の『コナン・ザ・グレート』を思い出した。
筋肉ムキムキマッチョマンのゴリラ野郎が家族の仇討ちに殺しまくって復讐を果たすファンタジー映画で、これなんかも主人公を中心にして徹底的に物事の流れだけを追う形になっている(誰これかまわずぶっ殺すシュワちゃんに共感せよと言うほうが難しいけど)。
だから『コナン』にしろ『エアベンダー』にしろ『ロードオブザリング』とはアプローチの仕方が違うので、観客の受け取り方一つでここまで評価がぶれているのではないかと思う。
『エアベンダー』がややこしいのは、『コナン』みたいに荒削りで豪快な英雄譚ではなく、昨今の『ハリー・ポッター』とか『ナルニア』とか『ライラ』みたいなメルヘンチックな容貌を垣間見せていたからだろう。
その半分くらいはちんちくりんな坊主のせいだろうけど。
自分が(世間的な意味で)面白いか面白くないのかわけがわからないと言ったのはそのせいで、『エアベンダー』は本当に絶妙なところを突いてくる。

幸いにも自分が『エアベンダー』を楽しめたのは、一切のツッコミどころをそこそこ無視して受け入れた点にある。
映画はそこで起きたことが全てで、それ以外は案外けっこうどうでもいい。
そりゃわけわからんのはわかるけど、実際それが現実として起こっているとすれば受け入れるしかない。
タイミング良く火の国の船が来たり、タイミング良く迎えが来たり、一目惚れしてしまうのはこの際問題ない。
月が赤くなったり、精霊が鯉だったり、技が過剰だったりするのも仕方ない。
それはもうそういうもんなんだと思って見るのが現実ってもんですよ、たぶん。

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