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戦闘妖精

マルドゥック・スクランブル―The First Compression 圧縮 (ハヤカワ文庫JA)/冲方 丁


うーん、残念ながら面白くなかった。
期待していたものとは全然趣が違ってたよ。
本屋大賞・SF大賞受賞と帯に書かれていたから買ったのに。

こういう本でした。
「ポン引きの親玉に焼殺されそうになった少女が、宇宙開発技術を応用した人体改造で甦り、そのうえあらゆる電子機器に介入して操作する能力を身につけ、この世のあらゆる物質に瞬時に変身できる黄色のネズミとともに、ポン引き野郎を訴える話」
登場人物が職業のわりにはお喋りだったり、まぬけだったりするところが残念。
かませ犬にしかならない暗殺集団の趣味をたっぷり聞かされるのはだるかった。
少女も少女で凡庸なのがもったいない。
最強の能力手に入れたから(自己愛たっぷりに)ボコボコにします、というのが好きじゃない。
例えば、虐げられた後にめっちゃ強くなって相手を蹂躙するようになる話として映画『第9地区』があるんだけど、あれは徹底して現実の描写を続けていった結果として反逆することのダイナミズムが発生するわけですが、「マル~」はちょっとメロドラマが過ぎる。
全3巻もあるそうですが、そこまで引っ張る必要があるのかしら。
自分はシリーズものの本は1巻しか買わないので知らんが。


戦闘妖精・雪風(改) (ハヤカワ文庫JA)/神林 長平


一方でこれは大変面白かった。
必要なものは全て描写して、無駄なものは一切描かないストイックさが良い。
「突如南極に現れた異空間、その先に広がるフェアリイ星を舞台に、異空間を通じて地球に侵攻しようとする異星体との戦争SF」
昔、地球が平和になるにはどうすればいいか、という話を友人とした時、最終的に「宇宙人が侵攻してくれば地球は一つになる」というバカバカしい結論を出したのを思い出した。
「戦闘妖精」では、地球上が戦場にならないために、大して情勢は変わっていない。
それどころか圧倒的な強さで地球防衛に就く空軍を地球側がけん制する始末。
敵の正体も戦争開始から今まで依然として知れず、そのために戦っている本人はいったい何のために戦っているのかわからなくなっていく。
その疑問もやがて戦争の主体が人間ではなく機械に変わっていくことで深刻さを増す。

膨大な情報を処理する機械が、意思をもって行動するようになる(みえる)のは面白い。
人間のあらゆる感情の存在しないところに無機質の残虐性があるから恐ろしい。
ターミネーターやアヴァロンのボス敵が脅威に映るのもやっぱそこかなあと思ったり。
★★★★★

(★は好みの数)


---
しばらく新作映画観に行ってないな…。
来週末にまとめて観に行こうと思います。

映画の魔

映画の魔/高橋 洋

今まで読んでなかったのが間違いでした。
おかげさまで映画についてまた深く頭を悩ますことになった。
例えばこの文章…

『トイ・ストーリー』では観客の視点、すなわち人間の視点はオモチャの側にあり、オモチャを支配する巨大な人間たちは何か人間ではない、よそよそしいものに見える。つまり「オモチャは生きている」というシンプルな虚構によって、私たちは人間を人間でないものとして見つめる奇妙な視点を体験させられるのだ。むろん、人間たちの行為はあくまで人間臭い。しかし私たちにはそれが人間とはかけ離れた、不思議な生き物のように見えてしまう。子供たちはオモチャを使って即興の物語に興じ、自らも物語の登場人物になりきったかのごとく振る舞う(しかも物語の中の自分と母親に甘えたりする実際の自分とを自在に行ったり来たりできる)。子供なら多かれ少なかれやるであろうこうした行為が、私たちにはどこか狂人めいたものにすら見え、「人間とは物語を作る病気にかかった動物である」という岸田秀の言葉が改めて実感できたりする。[講義メモ]匿名性について

…トイストーリーを単純に人形劇以上の何かとして観てこなかった自分には、こうした文章からよく出来たパズルの解答を見せられるような気分だ。
でもってそうした文章がこの本には山ほど書かれてあるので面白くて仕方がない。
価格は2600円と普通の本よりは高めだけど、それ以上に価値ある本だと思います。
映画が好きなら絶対読んだ方がいい。
私なら4000円出しても買いますね。

ドキュメント 戦争広告代理店 (講談社文庫)/高木 徹
かなり前に話題になった本、今さら読みました。
戦争の行方さえも情報の支配・管理によって左右することが出来ることを書いたドキュメント。
発行日はちょうど情報をテーマにしたメタルギアソリッド2が発売された時期に近い。
情報を味方につけることで戦場の外から戦争に勝つ手段を講じることが出来るという。
そこで当事国は巨大なPR会社に依頼する。
PR会社は依頼者の利益を最大限高めるために、相手国を貶める為のあらゆる手段を講じる。
相手国の非人道的な行為を(でっちあげ)、国際社会にさらし、経済制裁や外交の場で追い詰めていく。
相手国の首脳に反論の余地を与えないように、わざわざ会議場での発言力を弱める席位置につけたり、会議場に非人道的行為による被災者(ねつ造)を連れてこさせたりと、徹底したやり方が恐ろしい。

日本にしても、もし悪意をもった国がPR会社に依頼して情報戦に巻き込まれてしまったら、日本にはかなり厳しい戦いになるのだろうか。
捕鯨問題や未だに賠償請求される戦後補償問題、竹島、尖閣諸島、北方領土など、つけ入られる隙がちょっと多いかな。

そーいえば選挙、終わりましたね。
私は外国人参政権とか怪しいことを暗に進めている政党には入れませんでしたよ。
金の問題は少しは目をつぶるけど、国を切り売りしてるなんて噂があるとなんだかなーって感じですな。


---

この前買った本
1『マルドゥック・スクランブル』
2『戦闘妖精・雪風<改>』

1、最近小説あまり買ってないなと思いつつ、なんとなく書店で眺めた本を買ってみた。
人気があるそうなので期待。
2、1984年に刊行されたものの改訂版だそうで、今も根強い人気があるそうな。
地球に侵攻する未知の異星体に反撃するというSF。
STGっぽい雰囲気もややあり。

ブック

最近こんな本を読んでます。

1『ファイナルファンタジー12シナリオアルティマニア』
2『囲碁を始めたい人のために』(石田芳夫)
3『黒沢清の映画術』(黒沢清)
4『映画の魔』(高橋洋)
5『戦争広告代理店』高木徹



1、ファイナルファンタジーシリーズの中で個人的に最も好きな作品の解説本が315円で置いていたので買い。
各国の政治体制、軍隊の構成、イヴァリースの歴史まで細かく載っていて大変面白い。
ゲームの解説・攻略本は映画のパンフレットよりも圧倒的に中身が厚く、読み物として楽しめる。

2、最近囲碁を始めたので買ってみた。
1ページにつき一項目ずつ遊び方が解説されていて、入門書としてとてもわかりやすかった。

3、黒沢清監督がどういう人間なのかちょっと詳しく知りたいので。
最近になってDVDで見た『LOFT』には驚愕した。

4、これはとても面白い。
読む前と読んだ後では映画に対する見方がまったく変わってしまう。
新作映画を何本か観るよりもはるかに価値がある。
映画の本当の恐ろしさを知りたい人は絶対読んだ方がいい。

5、国際世論を誘導する情報戦のノンフィクション。
紛争当事国においてPRに成功した方が敵国を一方的に蹂躙することができる。
そこには善か悪かは問題ではなく、勝った者が正義と国際的に認識されてしまう。
日本においても、反捕鯨団体の活動やザ・コーブの世界的ヒット、竹島問題なんかがそれにあたるかも。


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achi

Author:achi
プロメテア教

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